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「マーケティング」から「共に創る」へ by トーマス・コルスター

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「マーケティング」から「共に創る」へ by トーマス・コルスター | NECSUS GREEN FILE

サステナ経営の伝道師 トーマス・コルスターによる好評コラムです。

人々に「マーケティングする」から「ともに創る」へ

私が『Goodvertising』(Thames & Hudson、2012年)を書いた頃、ソーシャルメディアはまだ黎明期であった。私は非常に楽観的であった。あるいは、少しナイーブであったのかもしれない。当時、初めて市民が公の場で声を持つようになったのである。
一つのツイートがCEOに疑問を投げかけることもできる。
Facebookのグループが多国籍企業に圧力をかけることもできる。

私は、いわゆる「ソファ・アクティビスト(couch activist)」――家にいながら企業の不誠実な行動を指摘する市民――が、ブランドを正直に保つ時代が到来するのではないかと考えていた。一つ一つの投稿が企業行動を監視する時代である。

しかし興味深いことが起きた。ブランドのほうが人々よりも速く適応したのである。確かに人々は声を上げる手段を得た。しかし企業との力の不均衡そのものは、ほとんど変わらなかった。情報の「ノイズ」は増えたが、必ずしも説明責任が強化されたわけではなかった。

ブランドの物語から「集合的な物語」へ
現在、私たちはまったく異なる転換点に立っている。

生成AIは、一般の人々――ここでは「市民」と呼ぶ――に、これまでにない規模の分析力・創造力・組織力を与えている。

市民は企業のサステナビリティレポートを数秒で分析できる。
競合企業の主張と比較することも可能である。

企業が制作した華やかなブランド映像がメディア露出のピークを迎える前に、それに対抗するキャンペーンを生成し、コミュニティを動員することさえできる。

それも情熱と創造性、そして圧倒的なスピードをもってである。

これは単なる「怒りの増幅」ではない。
集合的なナラティブ(物語)の主導権が市民側へ移りつつあるということである。

そしてそれは、ブランドのルールそのものを変える。

ターゲティングから、人々を「運転席」に
長年、ブランドはナラティブの主導権に依存してきた。

企業はしばしば、私が「ヒーロートラップ」と呼ぶ状態に陥る。
すなわちブランド自身を「変革の主人公」として位置づける傾向である。

企業はこう語る。

「私たちはムーブメントを牽引している」
「私たちは地球を救っている」
「私たちはコミュニティをエンパワーしている」

確かに印象的な表現である。
しかしそこではブランドが物語の中心に置かれている。

人々は拍手することを求められ、場合によっては商品を購入することも求められる。

しかしそれ以上の役割を与えられることは稀であった。

今日の環境において必要なのは、「人をターゲットにする」マーケティングから「人の参加を可能にする」仕組みへの創造的リセットである。

私はこれを「トランスフォーマティブ・プラットフォーム(Transformative Platform)」と呼んでいる。

これはゲームに似ている。
ルールは存在する。
方向性も存在する。

しかし魔法はルールブックから生まれるのではない。

プレイヤーから生まれるのである。

人々の選択から。
創造性から。
試行錯誤から。

そして人々が与えられた空間を思いがけない方法で使うことからである。

参加型ブランドの例
たとえばアウトドアブランド REI の「#OptOutside」イニシアティブである。

ブラックフライデーに店舗を閉め、人々に買い物ではなく自然を楽しむことを促した。

これは単なるキャンペーンではない。

「私たちの価値観を称賛してほしい」と言ったのではなく、「あなたも参加してほしい」と呼びかけたのである。

また American Express の「Small Business Saturday」も同様である。

これはクレジットカード機能を宣伝するものではなかった。

地域の起業家に消費を向けるコミュニティのための継続的な機会を創り出したのである。

これらの事例には共通点がある。

それはメッセージ主導ではなく、参加主導であること。
ブランドが物語を支配しようとするのではなく、人々がその物語に入る条件を設計しているのである。

テクノロジーの時代こそ、人間中心へ
テクノロジーが強力になるほど、
ブランドはより人間的である必要がある。

それは柔らかくなることでも感傷的になることでもない。

真に人間中心であることである。

ブランドは主役の座を手放し、その代わりに人々の成長を支えるインフラを設計する必要がある。

健康、コミュニティ、能力、社会への貢献、、、こうした領域で、個人の成長を可能にする仕組みである。

AIは今後も集合的行動のコストを下げ続ける。
従業員、顧客、市民は、企業を分析し、比較し、動員するツールを手にする。
かつて企業側に有利であった情報の非対称性は急速に崩れている。

その代わりに新たな期待が生まれている。

もし私をあなたのブランドの物語に招き入れるのであれば、その物語の中で行動できる力も与えるべきである。

これから成功するブランド
これから成功するブランドは、最も大きな「パーパス」を語るブランドではない。

成功するのは変革のための信頼できるプラットフォームを構築するブランドである。
そこでは商業的成功と人間の進歩が互いに強化し合う。
15年前、私は人々がツイートで企業に声を返す時代を想像していた。
しかし今日、人々はプロフェッショナルなマーケティング機能を手元に持った状態で声を上げる。

もはや問題は、ブランドが挑戦されるかどうかではない。
唯一持続可能な立場は、人々が前進することを支えることである。

トランスフォーマティブ・プラットフォームを構築する8つの特徴
Transformative
明確で共有された変革目標を設定する

Guided
方向性やガイドラインを示す

Motivational
行動を促す設計にする

Creative
創造性の余地を残す

Replicable
再現可能な仕組みにする

Common
誰にでも開かれたものにする

Accessible
ツールや仕組みを容易に利用できるようにする

Relevant
ブランドの価値と関連付ける

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