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「ネイチャーポジティブ経営-自然資本を企業価値へ変える経営戦略-」アフターセミナー 紙上インタビュー with 宮崎智子 | NECSUS GREEN FILE

「ネイチャーポジティブ経営-自然資本を企業価値へ変える経営戦略-」アフターセミナー 紙上インタビュー with 宮崎智子

2026年9月5日、上記のタイトルで行った講演後の紙上インタビューです。 【講師プロフィール(講演時)】 ・認定特定非営利活動法人環境経営学会 副会長 ・跡見学園女子大学 マネジメント学部 兼任講師 ・NPO法人竹Eco活用 理事 ・NPO法人ジャポニカアグリ 理事 ・認定特定非営利活動法人 経営支援NPOクラブ Q:自然環境の保全と地域の人々の生計向上を両立させながら、ネイチャーポジティブな経営への転換を進めるには、先進国の企業や専門家はどのような役割を果たすべきでしょうか。地域の主体性を尊重した国際協力を成功させる鍵をお聞かせください。 A.ネイチャーポジティブを実現するためには、企業のバリューチェーンの上流に位置する地域住民の協力が不可欠だと考えています。しかし、「自然を守ってください」と求めるだけでは、協力を得るのは難しいでしょう。自然を守ることが地域にとっても経済的・社会的な利益につながる仕組みが必要です。 途上国における森林破壊や生物多様性損失の背景には、貧困や現金収入の不足など、社会・経済的な課題があります。生活のために自然資源を利用せざるを得ない状況では、規制だけを強化しても問題の根本的な解決にはなりません。セミナーで紹介したカンボジアのREDD+プロジェクトは、森林を保全するだけではなく、地域住民が森林を過度に利用することなく、暮らせる社会をつくることに取り組んでいます。 インドネシアのソングバード保全も、鳥の捕獲を規制するだけではなく、地域住民が主体となって森林を管理し、アグロフォレストリーやエコツーリズムなどの代替生計手段をつくることで課題解決を目指しています。さらに、鳥の鳴き声を楽しむ文化そのものを否定するのではなく、野生捕獲に依存しない持続可能な鳴き声コンテスト運営への転換を促しています。 これらの事例から、先進国の企業や専門家の役割は、自分たちの価値観や解決策を現地に持ち込むのではなく、地域住民自身が企画・運営に関わり、自然を守りながら発展していく環境を整えることだと考えます。企業には資金や市場との接点、専門家には知見や技術があります。それらを地域の知識や文化と組み合わせることに意味があります。 もう一つ欠かせないのが、キャパシティビルディングです。資金や技術を提供するだけでなく、地域住民が必要な知識や技術を身につけ、自ら事業を運営し、課題を解決できる力を高めていくことが重要です。外部からの支援が終了した後も、地域が自ら自然資本を管理し、その価値を地域の発展につなげていくことが、取り組みの持続可能性につながります。 国際協力を成功させる鍵は、「Ownership(地域の主体性)」「Benefit(地域への利益還元)」「Partnership(対等な協働)」 の3点にあると考えています。地域住民を単なる「支援の対象」ではなく、自然資本を守り、活かしていくパートナーとして位置づけることが求められます。 地域とともにネイチャーポジティブ経営を実践するには、「自然を守ることが地域の豊かさにつながり、その豊かさがさらに自然を守る」という好循環をつくることが大切です。その仕組みをともにつくり、最終的には地域自身がその好循環を持続させていけるようにすることこそ、先進国の企業や専門家が果たすべき役割ではないでしょうか。

グリーンマーケティングとクリエイティブプロセスを 規律するEU指令 ―敵か、味方か?- by ルチア・ダル・ネグロ | NECSUS GREEN FILE

グリーンマーケティングとクリエイティブプロセスを 規律するEU指令 ―敵か、味方か?- by ルチア・ダル・ネグロ

  ルチア・ダル・ネグロ博士 De-LAB CEO(www.delab.it/en) >>> 2026年9月27日、「グリーン・トランジションに向けた消費者のエンパワーメントに関する指令」が、EU全27加盟国で全面的に適用される。ブリュッセルでは「ECGT」、または「EmpCo」と略称されるこの指令は、2024年2月に採択され、翌月に発効した。各加盟国には、2026年3月27日までに国内法へ反映することが求められていた。そして9月以降は、すでに流通している商品、パッケージ、広告キャンペーンにも猶予期間なく適用される。 これまでサステナビリティに関するメッセージを、表現のトーンや好みの問題として扱ってきた企業にとって、これは、その問題が「根拠」と「プロセス」の問題へと変わる瞬間である。 しかも、この指令は、個々の表示を一件ずつ審査するのではなく、一定の言葉やイメージの使用を類型的に禁止する仕組みを採っている。そのため、最も早く、そして最も大きな影響を受けるのは法務部門ではない。キャンペーンが実際に生み出される現場、すなわち企画書、ムードボード、ネーミング会議、クライアントへの最初のプレゼンテーションなのである。 本稿は、グリーンキャンペーンを最終的に承認する人だけでなく、そのキャンペーンが生まれる場に立ち会うすべての人に理解してもらいたい内容である。 何が変わるのか 意味を具体的に示さない「美辞麗句」は使えなくなる 「環境にやさしい」「グリーン」「持続可能な」「気候にやさしい」「環境に配慮した」といった言葉を、裏付けのない装飾的な形容詞として使うことは、もはや認められない。 欧州委員会のガイダンスでは、これらの言葉を適法に使用する二つの方法が示されている。 一つは、EUエコラベル、ドイツのブルーエンジェルや北欧諸国のノルディックスワンといった各国のISOタイプⅠ環境ラベル、または他のEU法令に基づく同等の最高水準の認証によって、その表示を裏付けることである。 もう一つは、その言葉が具体的に何を意味するのかを、当該表示が掲載されるウェブページ、パッケージ、画面上の目立つ場所に、明確に記載することである。 したがって、単に「気候にやさしいパッケージ」と表示することは違法となる。一方、「気候にやさしいパッケージ――製造に使用するエネルギーの100%を再生可能エネルギーで賄っています」と表示するのであれば、一般的で曖昧な主張ではなくなり、違法とはならない。 つまり、禁止されるのは言葉そのものではない。認証も具体的説明も伴わない、曖昧な形容表現なのである。 カーボンオフセットに依拠した「カーボンニュートラル」は使えなくなる 企業自身のバリューチェーン内で実測された排出削減ではなく、購入したカーボンクレジットに依拠して、ある製品が気候への影響を中立化、削減、または改善したと表示することは、全面的に禁止される。 これは、「算定方法を開示すれば使用できる」という問題ではない。明確な禁止事項である。 一部分の環境性能を、製品や企業全体の評価へ広げることはできなくなる   箱がリサイクル可能だからといって、その製品全体が持続可能になるわけではない。また、環境負荷の低い製品ラインが一つあるからといって、企業全体が「地球環境に貢献している」と表示できるわけでもない。 今後は、すべての主張について、根拠が裏付けられる範囲を正確に限定し、その限定された内容を、消費者が表示を見るのと同じページまたは画面上で明示しなければならない。 実体のある制度に基づかない認証マークは使えなくなる 緑色の葉のアイコン、独自に作成した「エコ」マークなど、環境上の優位性を示唆するバッジ型の図柄は、ECGT上の「サステナビリティ・ラベル」に該当する。 このようなラベルは、公的機関が設定したもの、または真正な認証制度に基づくものでなければ違法となる。その認証制度には、競合他社にも開かれていること、内容が公表されていること、制度の運営主体から法的に独立した第三者による検証が行われていることが求められる。 企業が独自のラベルを所有、運営すること自体は禁止されていない。この点は欧州委員会のガイダンスでも明示されている。ただし、その背後にある認証制度が、これらの条件を満たしていなければならない。 どれほど善意に基づくものであっても、実体のある制度を伴わず、パッケージのためだけに作られたマークは認められない。 これら四つの規制の背後には、各加盟国の消費者保護当局が執行する、極めて高額な制裁金が存在する。 EU法では、各加盟国が国内法で定める制裁金の最低水準を年間売上高の4%としている。これは上限ではなく、あくまで最低基準である。さらに高い基準を設けている国もあり、例えばフランスでは、平均売上高の最大10%、または誤認を招く広告キャンペーンに要した費用の50%までの制裁金を科すことができる。 2026年9月27日の適用開始後に正式な移行期間はなく、欧州委員会のガイダンスは、既存の商品も対象となることを明記している。 一方、欧州委員会は、既存在庫をすべて再包装しなくても、ステッカーや販売時点での訂正情報によって適合させることが可能であるとも説明している。また、執行に際しては、企業が法令遵守のために合理的かつ相応な努力を行ったかどうかも考慮される。 だからこそ、早期に監査を開始する必要があるのであって、古いパッケージは当然に安全だと考えてよい理由にはならない。 影響が及ぶ場所――クリエイティブプロセスそのもの 一般的なコンプライアンス説明では見落とされがちだが、キャンペーンを事後的に審査する人ではなく、実際に生み出す人にとって最も重要なのが、この部分である。 従来、環境に関する表示は、制作工程の終盤で修正すればよい問題として扱われてきた。まずキャンペーンを作成し、法務部門がリスクの高い形容詞を穏当な表現に修正したうえで世に出す、というモデルである。 しかし、ECGTの下では、このモデルは完全に機能しなくなる。 根拠のない一般的な環境主張は、小さな文字で但し書きを加えれば法務部門が修正できるようなものではない。そもそも使用できないのである。 したがって、「この表現を使えるのか。使えるとすれば、どのように使うのか」という問いへの正確な答えは、ストーリーボードが完成した後ではなく、クリエイティブコンセプトを組み立てる前に明らかにしておかなければならない。 具体的には、グリーンキャンペーンの制作方法に、次の六つの変化が生じる。 1.企画は感情ではなく、根拠から始める 従来のクリエイティブ・ブリーフは、消費者に訴えたい感情から始まり、その後でコピーを裏付ける事実を探すことが多かった。 今後は、その順序を逆にしなければならない。まず、実際に存在する認証、ライフサイクルデータ、測定された削減数値を確認し、そのうえで、そこからどのような感情的価値を誠実に構築できるかを考えるのである。 サステナビリティ関連の案件を扱う広告会社では、最初の草案を作成した後ではなく、最初のワークショップを行う前に、認証書や監査済みの数値を提出するよう求めるケースが増えている。 2.サステナビリティと法務の担当者は、承認の場ではなく企画の場に参加する 最も迅速に対応している組織は、ESGや法務の担当者を制作工程の最後に立ちはだかる関門として扱うことをやめ、企画書を共同で作成するメンバーとして位置付けている。 開始時に「実際に何を、どの程度の精度で証明できるのか」について5分間話し合うだけで、制作開始から3週間後に法務部門が中心的な主張を認めず、キャンペーン全体を作り直すために費やしていた2週間を節約できる。 3.ビジュアル・アイデンティティも、見出しと同様に厳しく審査される 欧州委員会のガイダンスは、緑の葉、水滴など自然を連想させる視覚的要素についても、一般的な消費者が、暗黙の環境主張や信頼性を示すマークとして受け取る可能性があると注意を促している。 これは自動的に禁止されるものではなく、個別の判断を要する。しかし規制当局は、すでに相当広い範囲にこの考え方を適用している。 これまで純粋に美的な判断と考えられてきたアートディレクション上の選択、例えばカラーパレット、アイコン、データでは十分に裏付けられない物語を暗示する自然写真などにも、広告コピーとほぼ同程度の根拠が求められるようになっている。 ブランドが実際には獲得していない環境上の評価を、「グリーンな視覚表現」によって暗示するキャンペーンは、単に表現を慎むべき問題ではなく、現実的な法的リスクとなる。 4.名称は恒久的な主張となるため、事前確認が必要になる 「エコ」「ピュア」「ニュートラル」「クリーン」といった言葉を含む製品名、商品ライン名、企業名は、一度限りのキャンペーン素材ではない。 発売時の広告キャンペーンが忘れられた後も、すべてのパッケージ、小売事業者の商品一覧、検索結果に表示され続ける。 欧州委員会のガイダンスは、2025年11月に初めて公表され、この点を明確にするため2026年5月に改訂された。そこでは、環境に関する用語を含む商標や企業名も、広告コピーと同様に規制の対象となることが確認されている。 これまで、表示管理とはある程度独立してブランド部門が担当してきたネーミングについても、名称を決定する時点で、広告コピーと同様の根拠確認が必要になる。数年後に確認するのでは遅いのである。 5.大きく、温かく、一つの事実だけを示す広告から、限定的で具体的な広告へ移行する 「カーボンニュートラルなパッケージ」「持続可能な方法で製造」といったキャンペーンが機能してきたのは、その表現が広範で、誰に対しても安心感を与えられたからである。 しかし、そのような表現領域は、ほぼ失われつつある。 代わって求められるのは、より具体的で、数値に基づき、率直に言えば感情的な魅力を生み出すことが難しい表現である。 例えば、「地球にもっとやさしく」ではなく、「2019年を基準としてパッケージ由来の排出量を38%削減。独立した第三者が検証」といった表現である。 2026年の適用開始を見据えて登場している興味深い欧州のキャンペーンの中には、この変化に抵抗するのではなく、正確性や第三者検証それ自体を感情的な訴求要素として活用するものもある。 曖昧な善意ではなく、「信頼」そのものをクリエイティブの中心に据えているのである。 6.将来目標を示す主張には、当初からモニタリング計画が必要になる 「2040年までのネットゼロ達成に向けて順調に進んでいます」「2028年までにすべてのパッケージをリサイクル可能にします」といった表現は、単なる将来への抱負として使用することができなくなる。 その主張を行う時点で、独立した検証が可能なロードマップが必要である。規制当局から要求された後に、防御的に作成すればよいものではない。 したがって、企業の将来方針を中心に構成するキャンペーンでは、開始当初からメディア計画の中に検証計画を組み込まなければならない。後から付け加えるのでは遅いのである。 具体例 この変化を、パッケージメーカーが新しいボトルを宣伝する場合で考えてみよう。 従来であれば、次のようなコピーを使用できた。 「私たちの新しいボトルは、よりグリーンで、環境にやさしい素材を使用し、よりクリーンな地球を実現します。」 ECGTの下では、この文章のすべての要素がリスクとなる。 「よりグリーン」は、比較の基準が示されていない無限定の比較表現である。「環境にやさしい素材」は、認証もなく、同じパッケージ上で具体的に説明されてもいない一般的な環境主張である。そして、「よりクリーンな地球」は、一つの製品だけでは裏付けることのできない、範囲の限定されていない企業全体に関する主張である。 適法性を確保した表現は、より限定的で、文学的な美しさには欠けるかもしれない。しかし、はるかに強固な根拠を持つ。 「このボトルには再生PETを40%使用しています。2022年を基準として検証済みです。認証書はご要望に応じて提示します。」 これは、従来とは本質的に異なる種類のコピーであり、コピーライターに渡す企画書も本質的に異なるものとなる。 だからこそ、変革は法務審査の段階ではなく、企画立案の段階から始めなければならないのである。 もう一つ、企業広告やBtoB向けのグリーンキャンペーンで多用される、将来目標に関する例を挙げよう。 従来であれば、企業は次のように表現できた。 「私たちはネットゼロへの道を歩み、すべての人にとってより良い未来を築いています。」 ECGTの下では、この表現には二つの問題がある。 第一に、実施計画や中間目標を伴わない将来に関する主張である。第二に、「すべての人にとってより良い未来」は、指令が規制対象とする、範囲の限定されていない企業全体に関する主張そのものである。 より確かな根拠を持つ表現は、次のようになる。 「当社は2020年以降、Scope 1およびScope 2の排出量を22%削減しました。また、外部機関による検証を受けたロードマップに基づき、2027年および2030年の中間目標を公表しています。」 引用しやすい文章ではないかもしれない。しかし、ジャーナリスト、規制当局、競合他社が容易に論破できる文章でもない。 変わらないもの ECGTが何を禁止していないのかについても、明確に理解しておく必要がある。企業が取るべき対応は、環境情報の発信を控える「グリーンハッシング」ではないからである。 欧州の規制当局は、その目的が、根拠のない主張を排除することであり、真正なサステナビリティ・コミュニケーションを妨げることではないと明言している。 EUエコラベルを実際に取得している企業、監査済みの排出削減実績を持つ企業、検証済みのライフサイクル改善を実現している企業は、その事実を積極的に発信する権利を引き続き有している。 むしろ、競合企業がこれまで用いてきた、声は大きいものの曖昧な主張が使えなくなることで、正確な根拠を持つ企業が発信から得られる利益は一層大きくなるだろう。 ECGTによって最も大きな影響を受けるのは、控えめであっても十分な根拠を持つサステナビリティ・ストーリーを発信してきた企業ではない。 「グリーン」「環境にやさしい」といった言葉を、根拠のあるストーリーそのものの代わりとして長年使い続けてきた企業なのである。 発注側と制作側の双方で組織再編が進んでいる 同様の再編は、広告会社の内部だけでなく、クライアント企業側でも進んでいる。 従来、サステナビリティに関する表示を一人の法務担当者に一括して確認させていたマーケティング部門では、最初の企画段階からマーケティングチームに加わる専門担当者を置く動きが広がっている。 その担当者には、企業が実際に保有する認証、個々のライフサイクル数値が対象とする範囲と対象としない範囲、正当化できる比較表現の限界を詳細に把握することが求められる。 その人材の価値は、制作の最後に「できない」と判断することではない。審査を通過できない企画に制作費が投入される前に、実現可能なクリエイティブ領域を形成することにある。 理屈は単純である。 実現不可能な主張をクライアントへの提案前に企画から取り除くことができれば、制作開始から3週間後に法務部門が中心的なアイデアを認めず、キャンペーン全体を解体して作り直す必要はなくなる。 この能力を示すことのできる広告会社は、それを単なるリスク管理上の補足事項ではなく、新規顧客への提案における真の差別化要素として活用し始めている。 現在EU市場で販売していない企業にも重要である理由 ECGTは、本社所在地にかかわらず、EUの消費者に対してマーケティングを行うすべての企業に適用される。 日本、英国、米国からEUへ商品を出荷する企業も、ミラノに本社を置く企業とまったく同じ条件で規制の対象となる。 主要市場が欧州以外にある企業にとって、直接的な法的リスクは限定的かもしれない。しかし、この動きが示す実務上の意味は決して小さくない。 欧州の規制当局、裁判所、広告会社は、他の多くの市場が同じ課題に直面する数か月前から、「根拠を起点とするサステナビリティ・マーケティング」が日々のクリエイティブ実務に何を求めるのかについて、大規模な実証実験を行っている。 欧州のブランドが今後1年間で企画や承認のプロセスをどのように変えていくのかを観察することは、グローバルなサステナビリティ・マーケティング基準が次にどこへ向かうのかを知るうえで、極めて有益な先行事例となる。 かつて欧州のデータ保護規則が、法的には直接拘束されない市場の実務まで変えていったのと同じである。 五つの実践的ポイント 1.すでに世に出ている表現を監査する 何年も前に作成されたパッケージのコピー、製品名、常設のウェブコンテンツ、小売事業者の商品一覧も、制作したキャンペーンがすでに終了しているという理由で適用を免れることはない。 2026年9月以降、既存在庫を販売し切るまでの適用除外は認められない。 2.根拠の確認を、審査の最後ではなく企画の最初に移す スケジュールが大幅に遅れる最大の原因は、制作開始から3週間後になって、キャンペーンの中心的な主張を裏付けられないと判明することである。 最初のワークショップを行う前に、認証書や数値を確認すべきである。 3.ビジュアル・アイデンティティとネーミングを、コピーと同じ厳密さで扱う 文章による主張が認められない場合でも、緑色を基調としたデザインや、「エコ」を冠した製品名が安全な代替手段になるわけではない。 それ自体が環境主張と判断される可能性がある。 4.企画段階から部門横断型チームを編成する 2026年9月に向けて最もよく準備できている企業は、キャンペーンがほぼ完成してからではなく、企画書を作成する段階で、サステナビリティと法務の専門家をチームに加えている。 5.正確さを制約ではなく、クリエイティブ上の資産として活用する 競合企業が曖昧で耳当たりのよい表現を削除せざるを得なくなる中、範囲が限定され、独立した第三者によって検証され、具体的な数値に基づく主張を行えるブランドは、むしろ際立つことになる。 それは、従来の広告らしく聞こえないからこそ、消費者が実際に確認できる情報として強い存在感を持つのである。 結論 ECGTは、グリーンマーケティングそのものを禁止するものではない。 禁止するのは、根拠ではなく形容詞によって成り立ってきたグリーンマーケティングである。そして、このような手法は、過去20年間、業界の標準として静かに定着してきた。 それに代わるマーケティングは、より限定的で、より技術的であり、魅力的な文章に仕上げることは確かに難しい。 しかし、制作工程を「最後にコンプライアンスを確認する方式」から「最初に根拠を確認する企画方式」へと再構築する意思のある企業にとって、これはマーケティングの世界では珍しい機会でもある。 消費者が求めていると答えながら、実際にはほとんど提供されてこなかった、根拠があり、具体的で、信頼できるストーリーテリングに報いる規制改革なのである。

広がるインパクト融資の本質を捉え直す ー借り手の中小企業側からみた活用のあり方- アフターセミナー・インタビュー with 長谷川浩司 | NECSUS GREEN FILE

広がるインパクト融資の本質を捉え直す ー借り手の中小企業側からみた活用のあり方- アフターセミナー・インタビュー with 長谷川浩司

2026年8月22日のNECSUS特別セミナーに登壇した長谷川浩司先生に、アフターセミナーインタビューを行ないました。 ・福井工業大学経営情報学部教授 ・同大学地域連携研究推進センター副センター長 ・環境経営学会副会長 ・日本経営倫理学会幹事/CSR研究部会長 ・日本リスクマネジメント学会評議員 Q.インパクト融資を企業から銀行等に提示するにあたり、第一段階は企業内部の課題と外部不経済との関連を見出すことにあり、最終段階のひとつが融資効果の評価と考えられます。それぞれの段階の留意点があれば教えてください。  A.新時代の環境経営のあり方として、次のようなフロー図を提示しました。 1.社会課題を特定→2.自社の力で課題を解決→3.課題解決で収益が拡大 →4.社会課題解決型企業になる→5.新時代の環境経営の実践 1の社会課題の特定に対しては、あまりマクロ視点で考えてしまうと、問題が大きすぎで自社ではとても手に負えないように感じてしまいますので、身近な社員の働き方や生産現場で、効率面や女性活躍推進面での課題、さらには自社製品の現地販売先における課題などを捉えてみることが重要です。 2の自社の力で課題解決に対しては、全てを自社で解決しようとせずに、社会課題解決に向けて、得意分野を持ったパートナーと連携していくことがカギになります。 3の課題解決で収益の拡大に対しては、セミナー参加者の方から貴重な生の声として、課題解決しても現状では中々収益が拡大しないというお話を受けました。現状では、確かにご指摘のとおりという実態はあろうかと思いますが、それでも、現状を100%肯定してしまうのではなく、諦めずに社会課題解決が収益に繋がる社会を目指していくことが大切であり、そのような経営者の経営マインドこそが新時代の環境経営の実践なのでないでしょうか。 因みに、どこまで史実に沿っているかは分かりませんが、8月23日に放映されたNHK大河ドラマの中でも、「新しい世を創るんだ」と力強く宣言する将の方に心が動かされて、その力に加わるというシーンが描かれていました。 また、4の社会課題解決型企業になることに対しては、「中小企業庁が推進するローカルゼブラ企業」の例を参照しながらご説明したとおり、課題を特定した後にこれを自社のビジネスモデルに沿って仕組化し、それにより社会課題の解決に繋がる“インパクト”が効果として表れ、その効果を測定していくことが重要になります。 ※さらなる学びに向けて 今回は、基礎的な概念がとても重要であることを踏まえて、根底にある考え方を中心にお話しましたが、さらに具体的に学びたい方は、差し当たり、下記の文献を参考にしてみてください。 *月刊金融ジャーナル4月号及び5月号(日本金融通信社発行)連載 「本質を捉えた“インパクト融資”実銭へ 「 地銀コーポレート・ガバナンス3. 0 」とは *サステイナブルマネジメント第25巻収録 「インパクトの本質と経営理念に照らした地域銀行インパクト融資のあり方」

寄稿「ふたつのテーマ、しかし物語はひとつ」 ―10年間のキャンペーンデータが経営者に示す、社会的インパクトと環境インパクトをつなぐ「失われた接点」- by ルチア・ダル・ネグロ | NECSUS GREEN FILE

寄稿「ふたつのテーマ、しかし物語はひとつ」 ―10年間のキャンペーンデータが経営者に示す、社会的インパクトと環境インパクトをつなぐ「失われた接点」- by ルチア・ダル・ネグロ

今回から連載がスタートするルチア・ダル・ネグロさんの特別寄稿です。 De-LAB設立者のルチアさんは、ミラノ・カトリック大学で国際関係学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で地理学を学び、ミラノ・カトリック大学大学院にて制度・グローバル政策分野の博士号を取得。複数の非営利団体や民間企業での勤務を経て、認証B Corp™であるDe-LAB(www.delab.it/en)を設立し、CSR(企業の社会的責任)、持続可能な開発、国際開発協力に取り組んでいます。 イタリア学術会議(CNR)およびジャンジャコモ・フェルトリネッリ財団の元研究員。現在は、ミラノ・カトリック大学の非常勤教授、ジャンニーノ・バセッティ財団サウンディングボード委員を務めるほか、ESG報告を専門とするCEPAS/Bureau Veritas認証のChief Value Officer(最高価値責任者)として活動しています。 >>> 世界の広告データを10年にわたって分析すると、サステナビリティがどのように発信されてきたのか、その実像が明確に浮かび上がる。そして、それは多くの人が想像している姿とは異なる。   Kantarが紹介したWARCの「Effective 100」データセットは、2013年から2024年までの世界で最も効果的なマーケティング・キャンペーンを追跡したものである。それによれば、サステナビリティをテーマとするキャンペーンは、2013年の33件から2024年の41件へと着実に増加している。しかし、この増加を牽引しているのは環境に関するコミュニケーションではない。ほぼ全面的に社会的テーマによるものである。   労働、地域社会、包摂、公平性を扱うキャンペーンは、2013年の24件から2024年には34件へと増加し、調査対象となったすべての年において、全体の中で一貫して最大の割合を占めている。環境をテーマとするキャンペーンも期間を通じて存在するものの、その数は少なく、比較的横ばいである(2013年8件、2024年5件)。概して全体の中では2番目に大きな区分であり、最多になったことは一度もない。   しかし、最も懸念すべきなのは第3の区分、すなわち社会と環境の両方を同時に扱うキャンペーンである。12年間の全期間を通じ、この区分が年間3件を超えた年は一度もない。2024年には全41件中わずか2件で、全体の5%にも満たない。   これは、一時的な現象ではなく、10年以上にわたって続く構造的な傾向である。サステナビリティに関するコミュニケーション全体は約25%増加したにもかかわらず、社会的メッセージと環境的メッセージが交わる領域は、期間を通じてほぼ一貫して極めて小さいままである。 出典: Sustainability in the WARC Effective 100(Kantar, 2024により紹介)   これは、クリエイティブチームだけで処理すればよい小さな技術的問題ではない。経営戦略上の重要なシグナルである。企業は社会的インパクトを語ることに習熟し、環境インパクトについても相応に語れるようになった。しかし、その二つを一つの整合したサステナビリティの物語として語ることはほとんどなく、互いに無関係な別々のテーマであるかのように扱っている。   二つのテーマを切り離すリスク 環境と社会に関するコミュニケーションを分けることは、単なる中立的な簡略化ではない。そこには、サステナビリティ戦略を構築するすべての経営者が真剣に受け止めるべき、二つの具体的なリスクがある。   第1は、グリーンウォッシングとみなされるリスクである。企業の実績について環境面だけを伝えること、あるいは社会面だけを伝えることは、構造的な死角を生み出す。そして、その死角こそが、都合のよい情報だけを選択的に開示する余地となる。排出量削減だけを語るキャンペーンは、その構造上、労働条件、賃金の公平性、地域社会への影響について何も語らない。一方、社会貢献活動だけを語るキャンペーンは、資源利用や環境負荷について何も語らない。規制当局や監視団体が、潜在的なグリーンウォッシングの一形態として注視を強めているのは、まさにこの仕組みである。問題は、必ずしも虚偽の主張にあるのではない。事実であっても、何を語らないかを選ぶことによって、部分的な真実にしてしまうことにある。   第2は、戦略の断片化である。環境課題と社会課題を別々のチームが担当し、異なるKPIで測定し、異なるチャネルを通じて発信すれば、企業は「なぜ自社が存在するのか」「地域社会全体にどのような価値を生み出すのか」を、一つの整合した物語として語る力を失う。ここでいう地域社会全体とは、人間を取り巻く環境と自然環境の総体にほかならない。この断片化は社内にも現れる。サステナビリティ戦略は、調達、人事、製品設計、マーケティングのすべてを貫く一つの事業運営原理ではなく、相互につながりのない施策の寄せ集めになってしまう。   この二つのリスクの背後には、さらに深い構造的な問題がある。二つのテーマを切り離す習慣そのものが、単独のコミュニケーション上の選択ではなく、経営者の思考様式の表れなのである。   サステナビリティは、企業の歴史の大半において、コンプライアンス機能として扱われてきた。それは、プロジェクト群ごとに整理されたチェック項目の集合であり、それぞれに独自の認証、監査サイクル、担当責任者が置かれてきた。これはシステム思考ではなく、管理事務的な論理である。つまり、企業はサステナビリティを、事業の成長そのものを設計するための統一的な視点としてではなく、税務申告や安全点検と同様に、一つずつ満たすべき個別の義務の連なりとして管理してきたのである。   認証制度も、数十年にわたってこの傾向を強めてきた。認証制度は、領域ごとに検証しやすい、個別かつ監査可能な基準を中心に構築されているからである。しかし、認証を取得していることと、真にサステナブルであることは同じではない。   サステナビリティは、定義上、領域横断的である ESGコミュニケーションの日常業務の中で見失われがちな点を、改めて確認しておきたい。サステナビリティは、もともと「環境」の同義語として生まれた概念ではない。ブルントラント報告書による当初の定義以来、サステナビリティという概念は、本質的に領域横断的なものとして構想されてきた。それは、生態系の限界と社会的公正、そして両者を仲介する経済・制度システムを結び付ける概念である。   したがって、環境または社会の一方の柱だけを扱うキャンペーン、方針、企業施策は、単に「焦点を絞ったサステナビリティ・コミュニケーション」なのではない。厳密に言えば、不完全なコミュニケーションである。サステナビリティの定義そのものが、環境と社会の二つの側面を、互いに付け加えても付け加えなくてもよい任意の要素として扱うことを許していない。もちろん、そのキャンペーンを支えるプロジェクト自体の設計が不十分であれば、話は別である。   社会面と環境面を、どのように一体化するか 問題が断片化にあるのなら、対応すべきは、サステナビリティ・マーケティングとコミュニケーションに対する全体的なアプローチの設計である。 キャンペーンを適切に設計するためには、次の問いが役立つ。   ・社会面と環境面の両方を同時に実証できる、一つのプロジェクトまたは取組は何か。   ・このキャンペーンでは何を伝えていないのか。そして、それはなぜか。   ・誰が恩恵を受け、ほかに誰が影響を受けるのか。   ・クリエイティブ・ブリーフから「グリーン」(または「ソーシャル」)という言葉を削除しても、キャンペーン全体の論理は成立するか。   ・私たちが発信しているのは、一つの成果なのか、それとも一つのモデルなのか。   これらの問いへの答えが部分的なものにとどまる場合、あるいは4番目の問いに「はい」と答えられる場合、二つのテーマは真に統合されていない。そのとき企業にとって、評判を損なうリスクは現実のものとなり得る。   経営者とクリエイターへの示唆 この断片化を避けることは、最終的にはクリエイティブ上の選択ではなく、組織上の選択である。その出発点は、キャンペーンを設計する場に誰が参加するかにある。企画が完成した後に外部チェックとして専門知識を加えるのではなく、サステナビリティの知見を備えた戦略担当者を、すべてのクリエイティブチームに加えることが有効である。   次に重要なのは、キャンペーン公開前に誰が意見を述べられるかである。メッセージを検証する際には、ターゲットとなる消費者だけでなく、キャンペーンが取りこぼすおそれのある立場を代表するステークホルダーにも参加してもらう必要がある。一方に環境の専門家やアドボカシー団体、もう一方に労働者や地域社会の代表者を置くといった方法である。そうすれば、語られていない論点は、公開後に社会や競合他社から批判として突き付けられる前に、レビューの場で問いとして表面化する。   さらに、評価すべきは単なる成果物ではなく、統合そのものである。キャンペーンの成功を評価するKPIが、リーチ数や環境メッセージの想起率だけを測るのであれば、メッセージを分断する誘因は残り続ける。複合的な指標を採用することが、その有効な解決策となり得る。   サステナビリティ戦略を構築し、あるいは見直そうとする経営者にとって、実務上の示唆は明快である。「このキャンペーンでは、どのサステナビリティ・テーマを前面に出すべきか」と問う前に、こう問うべきである。   「社会面と環境面の双方を内包する、サステナビリティのプロジェクト、取組、またはプログラムとは何か」   この問いに答えられる企業は、消費者や市民社会からの信頼を獲得できるだけでなく、急速に統合的な対応を不可欠なものとしつつある規制環境、そして日々の現実に対するレジリエンスも高めることができる。  

サステナビリティ経営は競争優位になるのか ― パタゴニアの事例から考える価値創造経営 ― アフターセミナー・紙上インタビュー with 竹原正篤 | NECSUS GREEN FILE

サステナビリティ経営は競争優位になるのか ― パタゴニアの事例から考える価値創造経営 ― アフターセミナー・紙上インタビュー with 竹原正篤

2026年7月25日、上記のタイトル開催した講演後の紙上インタビューです。 【講師プロフィール(講演時)】 ●株式会社T Insights代表取締役 ●環境経営学会理事 東京経済大学非常勤講師 ●大妻女子大学非常勤講師 ●損保ジャパンと日本マイクロソフトでサステナビリティ経営推進を担当 ●法政大学教員を経て現職 Q.先生のお話から、パタゴニアの成功要因は、環境理念と、それを実践する経営構造を一体として構築したことにあると理解しました。 一方で、既存企業にとっては、理念を浸透させることも、それを支える経営構造を変革することも容易ではありません。特に、シュイナード氏のように、自身の原体験を環境経営の理念へ昇華できる経営者は今のところ多数とは言えなさそうに感じます。 そこでお伺いします。 既存企業の経営トップが環境経営・サステナブル経営へ転換を進める際、実践上、特に留意すべきことは何でしょうか。理念の浸透と経営構造の改革という二つの観点から、優先順位の高い取り組みを教えていただけますでしょうか。 (例えば、以下のような取り組みが想定されますが、、、) 【理念の浸透】 朝礼や会議で理念を継続的に確認する 理念について内省する機会を設ける 理念共有ミーティングを実施する 1on1を通じて理念と業務を結び付ける 【経営構造の改革】 小規模な部門から段階的に導入する 部門長との対話を重ねる 取引先や外部ステークホルダーと意見交換を行う A.私は、既存の企業が実効性の高い環境経営・サステナビリティ経営を実践するためには、「理念の浸透」と「経営構造の構築」を別々の課題として捉えずに、一体のものとして取り組むことが重要だと考えています。  今回の講演でもお話しさせていただきましたが、パタゴニアの成功要因は、優れた環境理念を掲げたことで終わらずに、その理念を日々の経営判断や事業活動の中で実践できるような経営構造を、時間をかけながら構築していったことにあります。  理念を企業内に浸透させるためには、社員が理念を深く理解するようになる取り組みに加えて(朝礼や会議で理念を継続的に確認することは私も重要だと考えています)、理念を自分事ととらえて実践できるように、経営として仕組みを構築することだと考えています。理念が真に企業に浸透した状態とは、社員が理念を深く理解し、日々の意思決定の基準になっている状態だと考えております。  理念の浸透という点では、稲盛和夫氏が京セラで実践し、日本航空(JAL)の再建プロジェクトでも実践され大きな成果を挙げた「京セラフィロソフィ」が、大変示唆に富む事例です。 理念を繰り返し学び、対話を通じて社員一人ひとりが自らの仕事と結び付けて考える機会を設けたことで、理念が組織文化として根付いていきました。 そして、京セラやJALの変革はフィロソフィだけで実現したわけではなく、少人数で収益に責任を負うアメーバ経営をはじめとする経営システムと一体で運用されたからこそ、理念が日々の経営や現場の行動へと結び付いたのだと考えられます。  このように、実効性の高いサステナビリティ経営の実践のためには、理念の浸透と合わせて、理念を経営管理の仕組みに組み込むことが重要だと思います。 具体的には、以下のような点が重要と考えております。 サステナビリティを中期経営計画などの経営戦略へ統合すること その実現に向けた目標やKPIを設定し、継続的にモニタリングすること 役員・従業員の評価や報酬制度へ反映すること 取締役会が継続的にレビューし、経営資源の配分へ結び付けること  こうした仕組みが整うことで、理念が、組織として継続的に実践されるものになると考えます。 理念を具現化するような経営戦略を策定し、実効的な戦略実行のためにKPIを設定し、それらのKPIが評価・報酬や経営資源配分へと結び付いていく。そのような仕組みを、程度時間をかけてでも構築していくことが、実効性の高いサステナビリティ経営へ向けて必要なことと考えております。 下線は編集部

「誠実な企業が報われないのはなぜかーパーパスと競争優位から考える環境経営-」アフターセミナー 紙上インタビュー with 片山郁夫  | NECSUS GREEN FILE

「誠実な企業が報われないのはなぜかーパーパスと競争優位から考える環境経営-」アフターセミナー 紙上インタビュー with 片山郁夫 

6/25(土)のNECSUS特別セミナーに登壇した片山郁夫先生に、アフターセミナーインタビューを行ないました。 片山郁夫先生プロフィール(講演時) ・立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 特任教授 ・特定非営利法人 環境経営学会 副会長 ・SOMPOビジネスサービス株式会社 常勤監査役 ・博士(サステナビリティ学) Q.環境経営の必要性が高まる中、「正しく」かつ「勝てる」経営理念の統合、浸透、実践のサイクルを回すには、今まで以上のスピードと大胆な方向転換が求められそうです。この状態で、経営者はどのような資質をどう高めるべきか、そしていかに組織をまとめていくかにつき、お考えをお聞かせください。 A.私は、これまでの企業人としてのキャリア、環境経営学会での活動、そして現在の常勤監査役としての視点を通じて、数多くの経営者の葛藤と意思決定の現場に向き合ってきました。その中で私が考える、これからの激動の時代を生き抜く経営者に求められる資質は、大きく三つあります。 第一に、「理念を『判断軸』として使う力」です。 不確実性が高まり、あちらを立てればこちらが立たないような複雑な経営環境では、「何を大切にする会社なのか」という経営理念やパーパスが判断の最後の拠り所になります。しかし、パーパスは掲げること自体が目的ではありません。日々の苦しい意思決定の現場で、それを具体的な「判断軸(拠り所)」として実際に使いこなすことが大事なのです。言葉が飾りではなく、組織を動かす実践的な判断軸になったとき、目指す方向はブレなくなります。 第二に、「矛盾や葛藤の中で、自らをアップデートし続ける力」です。 現代のビジネスには「一つの正解」などというものは存在しません。既存事業の維持と新規事業・新規投資のバランス、短期的な利益の確保と中長期的なサステナビリティへの対応など、経営者が直面する課題は常に矛盾をはらんでいるからです。「私は正しい」と過去の成功体験や正論に固執するのではなく、むしろ、変化する社会の要請や顧客、環境、そして現場の従業員との対話から学び続けること。自らの常識を疑い、思考をアップデートしていく柔軟な姿勢こそが不可欠です。変化する社会の要請や顧客、環境、そして現場の従業員との対話から学び続け、自らの常識を疑い、思考をアップデートしていく柔軟な姿勢こそが不可欠です。 第三に、「理念を現場の『行動』へと翻訳する力」です。 どれほど立派な経営理念や戦略を経営トップが唱えても、それが現場の日々の判断や評価制度、組織文化にまで落とし込まれなければ、社員の行動は変わりません。経営者の真の役割は、大義を語ること以上に、「利益が一時的に減るかもしれない、あるいはルールとの狭間で悩むこの泥臭い場面で、私たちはどう判断すべきか」という課題に対して経営者としての具体的な姿勢を示し続けることにあります。つまり、理念を「綺麗な言葉」から「一貫した組織の行動」へと翻訳することです。 先日のセミナーでもお話しした通り、「正しいこと(大義)」と「勝てること(利益)」は対立するものではなく、その矛盾や葛藤を抱えながらも、科学的思考、すなわち事実やデータ、対話を踏まえながら統合していくべきものです そして、私はここで一つ強調したいことがあります。企業の中で組織や部署を預かり、日々現場の矛盾や板挟みと戦っている多くのビジネスパーソン(ミドルマネジメント層)にこそ、全く同じことが言えます。トップの想いを深く汲み取りながら、それを現場の納得感ある「行動」へと翻訳していく役割こそが、実質的に組織を動かすからです。 経営者、そして現場のリーダーたちが葛藤の中で一貫した意思決定を積み重ね、その真摯な姿勢を組織に示し続けることが、環境経営、ひいては企業経営そのものを持続可能な「競争優位」へと昇華させていくことだと考えます。 最後に、環境経営は、単なる「環境のための特殊な経営」ではないと思います。それは、「100年後も、社会や顧客、環境、そして従業員から必要とされ続ける企業をつくるための経営」そのものです。言い換えれば、「正しいこと」と「勝てること」を統合し、持続可能な競争優位を実現していく経営です。そう考えると、環境経営とはサステナビリティ経営を実現するための実践そのものと言えるのではないでしょうか。 サステナ博士のビジネスラボ https://note.com/sustaina_hakase/n/n385d71678032 も合わせてお読みください。

「想いを事業に変える」 アフターセミナー 紙上インタビュー with 内山大志 | NECSUS GREEN FILE

「想いを事業に変える」 アフターセミナー 紙上インタビュー with 内山大志

上記タイトルでNECSUS特別セミナーで登壇した、フィノーカル株式会社 代表取締役 内山大志さんに、セミナー内容を受けての紙上インタビューを行ないました。 Q1.「想いを事業に変える」には、リーダーシップの取り方や組織作りが重要と考えます。自らの経験を基に、留意すべき点をいくつか挙げてください。 A1. 想いを事業に変える際は、「想いだけでは続かない」と捉え、単発の善意ではなく循環する仕組みに落とし込むことが大切です。創業支援の経験からも、リーダーは理念を語るだけでなく、同じ課題意識を持つ人との関係性を育て、対話・役割分担・個別支援を通じて挑戦の土台を整える必要があります。 「想いを事業に変えていく組織」の経営にあっては、資金繰りは元より、社員・取引先・資金提供者・社会といったステークホルダーとの調整、失敗後の責任まで引き受け、社会性と経済性の間で悩み続ける覚悟が重要だと考えています。 Q2. 事業内容や規模により、資金調達方法は異なるとのことですが、一般論としてそれぞれの特徴を教えてください。 A2.資金調達は、事業内容と組織形態で特徴が異なります。中小企業型の株式会社は事業収益・出資・融資が中心で説明しやすく、スタートアップ型は第三者割当増資等で大きく調達しやすい一方、成長と投資家リターンの責任が重くなります。合同会社は定款自治の観点から組織設計の自由度が高いですが、株式の発行による資金調達ができないため、大規模な資金調達には不向きです。一般社団法人・一般財団法人・NPO法人は寄付、会費、事業収益等を使いやすく共感を得やすい反面、意思決定や情報開示が重要となるため初期段階では事務負担が大きくなります。 また、資金調達には、それぞれの組織形態に適した手法が様々にありますが、それぞれに特徴があり、正解を一つ選ぶより事業に合わせた組み合わせが肝要です。

コラム新執筆者にルチア・ダル・ネグロさん就任! | NECSUS GREEN FILE

コラム新執筆者にルチア・ダル・ネグロさん就任!

トーマス・コルスター、アンティ・イソカンガスに次ぐ、NECSUS GREEN FILEの新たなコラムニストとして、ルチア・ダル・ネグロ(Lucia dal Negro) さんが登場します。  ルチア・ダル・ネグロは、イタリア・ミラノを拠点とするサステナビリティ・コンサルタント。ソーシャルイノベーション企業「De-LAB」の共同創業者兼CEOとして企業や行政を支援するほか、TEDx登壇や大学での教育、国連関連プロジェクトにも携わるなど、欧州の第一線で活躍する実践派です。   どうぞご期待ください!

サステナ経営戦略を財務とつなぐ -本当のPBR(株価純資産倍率)対策、ICPと財務指標のコラボレーション- アフターセミナー紙上インタビュー&解説   講師:柏原岳人(柏原総合環境会計事務所 代表 税理士 コンサルタント) | NECSUS GREEN FILE

サステナ経営戦略を財務とつなぐ -本当のPBR(株価純資産倍率)対策、ICPと財務指標のコラボレーション- アフターセミナー紙上インタビュー&解説   講師:柏原岳人(柏原総合環境会計事務所 代表 税理士 コンサルタント)

【編集部】この度の企画は、第1回2月7日開催の導入編、第2回3月7日開催の実践編、今回の第3回4月25日の応用編を開催してきました。 第1回(2月7日:導入編)サステナ戦略と財務をつなぐインターナルカーボンプライシング(ICP) 第2回(3月7日:実践編)GX戦略に不可欠な損益計算書と貸借対照表をICP分析で読み解く 第3回(4月25日:応用編)本当のPBR(株価純資産倍率)対策、ICPと財務指標のコラボレーション 今回の第3回(4月25日:応用編)「本当のPBR(株価純資産倍率)対策、ICPと財務指標のコラボレーション」を開催しました。 【編集部】サステナビリティに関する事象は国際的動向と連動し不確実性が高く、また制度面も評価が定まるまでに時間を要すると認識しています。このような状況下で、サステナビリティ要素を経営分析・意思決定に反映することは、実務上かなりの複雑性を伴うと考えます。どのように捉えるべきでしょうか。 【柏原】個別の企業経営を好転させる、個人のスキルアップを図る、ために今回のような講義を受けてみようと考える際に、どうしても特定のスキルなど近視眼的に役に立つ内容だけに目が行きがちです。しかし、深い理解で長期的な成果を獲得する主体は、長期的な背景を深く理解し、本質的な潮流を掴んで付加価値を継続的に産み出しています。今回の講義でより深い理解をしていただきたい背景は、「実体経済の景気循環とインフラとしての開示基準」という論点です。景気循環について基礎知識としては、下記のような学説区分をまずはご理解ください。ネーミングは主要な学説提言者に因ります。 キチン・サイクル (短期・在庫循環) 期間: 約3〜4年(約40ヶ月) 要因:企業の在庫投資の増減。需要増に応じた積み増しと、過剰在庫による削減。 ジュグラー・サイクル (中期・設備投資循環) 期間: 約10年 要因:企業の機械・工場などへの設備投資。企業の業績変動に大きな影響を与える。 クズネッツ・サイクル (長期・建設循環) 期間: 約20年 要因: 住宅やオフィスの建設投資。人口動態や都市化に関連する。 コンドラチェフ・サイクル (超長期・技術革新循環) 期間: 約50〜60年 要因: イノベーション(技術革新)。新しい産業の創出が経済を牽引する。 気候変動の例を採りますと、1997年に開催された京都議定書からパリ協定で設定されている2050年のカーボンニュートラル目標は、GHG(温室効果ガス)やエネルギー問題に関する超長期の技術革新を想定したコンドラチェフ・サイクルを前提としたプロセスです。この循環では、数回の紆余曲折を想定しなければなりません。 この超長期循環の中には、クズネッツ・サイクルが2~3回入ります。1996年に環境ISOが開始し環境マネジメントシステムを世界に普及させ今や当然の存在になりました。2013年にIIRCが国際統合報告フレームワークを提言し財務資本と非財務資本(自然/製造/社会関係/人的/知的資本)の概念を明確にしました。2023年にはIFRS財団がISSB基準を提示してサステナビリティ開示のグローバルスタンダードの形成に乗り出しました。 これから2050年までの期間で財務関連情報としてのサステナビリティ開示が成熟していくことが想定されています。この期間のプロセスイメージは、図解1「財務関連情報としてのサステナビリティ開示を成功させるための思考法」をご覧ください。 スクリーンショット 2026-05-15 01.12.27 2026年の現状は、上場企業が発行する「統合報告」と「財務報告」という異なる報告内容を並列して関連性を説明していく段階です。統合:Integrationの段階は、財務関連情報の範囲は限定的でサステナビリティを実現すべき当事者としての報告責任を果たしている範囲も限定的です。この統合段階からISSB-SSBJ基準などの諸改革をクリアしながら、サステナビリティ開示に関連する各要素を再構築していく段階に突入していきます。 この再構築の際に必要な要素が、気候変動関連の取組みにおける触媒としてのICPです。各取り組みテーマにおける「触媒」たる存在についてマスターしていくことがこれからのカギになります。この段階は、触媒を用いて各要素を再構成して結合させていく合成:Syntheticのプロセスと捉えられています。最終的に「統合報告」と「財務報告」とを明確に区別しない報告形態の状態を融合:Fusionの段階と捉え、この着地点に向けたプロセスが、実体経済のクズネッツ・サイクルとリンケージして進行していく想定をしておいてください。 【編集部】本来は全社的な中長期経営計画の中で統合すべきテーマと理解しておりますが、現実的にはまず情報開示の整備・高度化を起点として、「サステナ経営戦略と財務の接続」を段階的に進めていくアプローチが有効と考えます。この理解について見解をお伺いできますでしょうか。 【柏原】2026年の段階をどのように捉えるかは、企業の規模と背負うべき責任によって異なってくると考えます。プライム上場で時価総額も大きく、数多の、多種多様なステークホルダー、に対して責任を負う巨大企業は、図解1で示した「統合:Integration」から「合成:Synthetic」へ移行しなければならない段階に立脚しています。サステナビリティ開示のテーマを各々財務とどのようにリンケージしていくべきか分析し段階的に再構築していくことが求められ、各テーマにおける「触媒」たる存在を突き止め、「融合:Fusion」の段階に進む準備を見定めておくことが最も理想的です。気候変動におけるICPは、触媒として先行して構築されつつあるので他のテーマにとってマスターすべき項目です。 上場企業でも巨大企業ほどではない存在においても「統合:Integration」の段階に長々と停滞することは様々な損失を産みます。企業の規模と背負うべき責任の違いに基づき、段階的に「合成:Synthetic」へ移行することを準備しなければなりません。 【編集部】サステナビリティ関連の投資判断において、「ROIC>WACC(ハードルレート)」を基準とする考え方は非常にシンプルで有用と理解しています。一方で、ROICを精緻に算出できる単位は実務上、事業部レベルが限界ではないかとも感じておりますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。 また、仮に事業部または全社単位で評価する場合、ROICとWACCの差(スプレッド)については、企業や事業のライフステージによって求められる水準が異なるとの理解でよろしいでしょうか。 【柏原】「事業部レベルが限界ではないか」という感覚は非常に的を射ています。生態系から得る資源に関する制約が益々顕在している経済環境が暫く続く予想の中では、事業内容を見直すプロセスでROICをきめ細かく適用していくことが成功のカギになります。上場企業では東証からの要請もあるので是非ともきめ細かく取り組んで欲しいです。事業規模を拡大する、上場する、持続可能な成長を目指す、ならば、事業部レベルで留まる感覚では未来に大きな足枷となることでしょう。 図解2「企業のライフステージ/事業セグメントの成長プロセス」をご覧いただくと、現状が成長助走期に位置していたとしても、先々のステージではROICを自由自在に使いこなしていかなければなりません。また、図解2をご覧いただけると、ライフステージ/成長プロセスに応じて求められる分析項目と分析ポジションは異なります。上場企業に対する東証からの要請である「ROE:自己資本利益率8%、PBR:株価純資産倍率1倍以上」というラインは最低目標であり、ここで立ち止まらず、高みを目指してもらわなければなりません。 【編集部】聴講された皆さんにとっても、基本と実務とを往来しながら理解を深めていく、どなたにも満足度の高いセッションだったのではないでしょうか?ご参加にお礼申し上げます。

1.「サステナビリティと経営戦略」ー環境課題を自社の競争力に変えるー アフターセミナー 紙上インタビュー 雨宮寛 | NECSUS GREEN FILE

1.「サステナビリティと経営戦略」ー環境課題を自社の競争力に変えるー アフターセミナー 紙上インタビュー 雨宮寛

「サステナビリティと経営戦略ー環境課題を自社の競争力に変えるー」と題し、3月17日(火)にNECSUSオンライン特別セミナーにて講演した雨宮寛先生に、紙上インタビューをお願いしました。 Q1 日本のサステナブル経営(環境経営)意識や取組の様子を他国と比較し、特徴があれば教えてください。 日本企業のサステナブル経営に対する意識や取組みは、国際的に見ても非常に高い水準にあると考えています。その背景には、地震や台風をはじめとする自然災害が多発する国土特性があり、企業経営の中に自然環境リスクをあらかじめ織り込まざるを得ない事情があります。 先日、ベネズエラの優勝で幕を閉じたワールドベースボールクラシックにおいて、日本がベスト8で敗退した要因の一つとして、試合球やピッチクロックといった国際基準への対応が挙げられました。この例になぞらえるならば、日本企業も同様に、すでに自然環境リスクを経営に組み込み、高度な対応を行っているにもかかわらず、国際的な取り決めやルールへの適応に多大な時間と労力を要し、その結果、取り組みの本質的な価値が正当に評価されていない側面があるのではないかと感じています。 さらに、日本は1960年代から70年代にかけて高度経済成長期を経験し、その過程で生じた公害など、経済成長がもたらす負の外部性への対応にも真剣に取り組んできました。すなわち、日本企業は、自然災害という外部環境からのリスクへの対応のみならず、自らの事業活動によって生じ得る負の外部性への対応も積み重ねてきたと言えます。こうした歴史を踏まえれば、日本企業は環境経営の分野において、世界に先駆けた役割を果たしてきたと評価してよいのではないでしょうか。 Q2 サステナブル経営(環境経営)を長きに渡り研究しておられる先生の視点では、今、日本でサステナブル経営の普及・発展の課題となっていることは何だとお考えですか? 欧米主導で形成されてきたグローバルスタンダードへの対応に対する躊躇や、それに伴う「ガラパゴス化」の問題は、日本企業にしばしば指摘される課題です。その大きな要因として、言語の壁や文化的な違いが挙げられることが多いですが、まさにこうした日本企業の「苦手領域」は、AIの活用によって克服できる可能性があると考えています。 多くの日本企業はすでに環境経営やサステナブル経営を実践、あるいは少なくともその重要性を十分に認識した上で経営を行っています。今後は、こうした企業の実際の行動や価値観を、投資家や取引先、地域社会など多様なステークホルダーと効果的に対話・発信していくことが重要になります。その際にAIを積極的に活用することで、言語や文化の障壁を超えたコミュニケーションが可能となり、日本企業の取り組みがより正確に、かつ公正に評価されるようになるのではないでしょうか。 結果として、AIは単なる効率化の手段にとどまらず、日本企業の国際的な評価を高めるための重要な戦略ツールになり得ると考えています。 (以上)

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