投稿日:2026.08.31 最終更新日:2026.10.04
広がるインパクト融資の本質を捉え直す ー借り手の中小企業側からみた活用のあり方- アフターセミナー・インタビュー with 長谷川浩司
この記事を書いた人
NECSUS STAFF
2026年8月22日のNECSUS特別セミナーに登壇した長谷川浩司先生に、アフターセミナーインタビューを行ないました。
・福井工業大学経営情報学部教授
・同大学地域連携研究推進センター副センター長
・環境経営学会副会長
・日本経営倫理学会幹事/CSR研究部会長 ・日本リスクマネジメント学会評議員
Q.インパクト融資を企業から銀行等に提示するにあたり、第一段階は企業内部の課題と外部不経済との関連を見出すことにあり、最終段階のひとつが融資効果の評価と考えられます。それぞれの段階の留意点があれば教えてください。
A.新時代の環境経営のあり方として、次のようなフロー図を提示しました。
1.社会課題を特定→2.自社の力で課題を解決→3.課題解決で収益が拡大
→4.社会課題解決型企業になる→5.新時代の環境経営の実践
1の社会課題の特定に対しては、あまりマクロ視点で考えてしまうと、問題が大きすぎで自社ではとても手に負えないように感じてしまいますので、身近な社員の働き方や生産現場で、効率面や女性活躍推進面での課題、さらには自社製品の現地販売先における課題などを捉えてみることが重要です。
2の自社の力で課題解決に対しては、全てを自社で解決しようとせずに、社会課題解決に向けて、得意分野を持ったパートナーと連携していくことがカギになります。
3の課題解決で収益の拡大に対しては、セミナー参加者の方から貴重な生の声として、課題解決しても現状では中々収益が拡大しないというお話を受けました。現状では、確かにご指摘のとおりという実態はあろうかと思いますが、それでも、現状を100%肯定してしまうのではなく、諦めずに社会課題解決が収益に繋がる社会を目指していくことが大切であり、そのような経営者の経営マインドこそが新時代の環境経営の実践なのでないでしょうか。
因みに、どこまで史実に沿っているかは分かりませんが、8月23日に放映されたNHK大河ドラマの中でも、「新しい世を創るんだ」と力強く宣言する将の方に心が動かされて、その力に加わるというシーンが描かれていました。
また、4の社会課題解決型企業になることに対しては、「中小企業庁が推進するローカルゼブラ企業」の例を参照しながらご説明したとおり、課題を特定した後にこれを自社のビジネスモデルに沿って仕組化し、それにより社会課題の解決に繋がる“インパクト”が効果として表れ、その効果を測定していくことが重要になります。
※さらなる学びに向けて
今回は、基礎的な概念がとても重要であることを踏まえて、根底にある考え方を中心にお話しましたが、さらに具体的に学びたい方は、差し当たり、下記の文献を参考にしてみてください。
*月刊金融ジャーナル4月号及び5月号(日本金融通信社発行)連載
「本質を捉えた“インパクト融資”実銭へ 「 地銀コーポレート・ガバナンス3. 0 」とは
*サステイナブルマネジメント第25巻収録
「インパクトの本質と経営理念に照らした地域銀行インパクト融資のあり方」