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「ネイチャーポジティブ経営-自然資本を企業価値へ変える経営戦略-」アフターセミナー 紙上インタビュー with 宮崎智子

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「ネイチャーポジティブ経営-自然資本を企業価値へ変える経営戦略-」アフターセミナー 紙上インタビュー with 宮崎智子 | NECSUS GREEN FILE

2026年9月5日、上記のタイトルで行った講演後の紙上インタビューです。

【講師プロフィール(講演時)】

・認定特定非営利活動法人環境経営学会 副会長
・跡見学園女子大学 マネジメント学部 兼任講師
・NPO法人竹Eco活用 理事
・NPO法人ジャポニカアグリ 理事
・認定特定非営利活動法人 経営支援NPOクラブ

Q:自然環境の保全と地域の人々の生計向上を両立させながら、ネイチャーポジティブな経営への転換を進めるには、先進国の企業や専門家はどのような役割を果たすべきでしょうか。地域の主体性を尊重した国際協力を成功させる鍵をお聞かせください。

A.ネイチャーポジティブを実現するためには、企業のバリューチェーンの上流に位置する地域住民の協力が不可欠だと考えています。しかし、「自然を守ってください」と求めるだけでは、協力を得るのは難しいでしょう。自然を守ることが地域にとっても経済的・社会的な利益につながる仕組みが必要です。

途上国における森林破壊や生物多様性損失の背景には、貧困や現金収入の不足など、社会・経済的な課題があります。生活のために自然資源を利用せざるを得ない状況では、規制だけを強化しても問題の根本的な解決にはなりません。セミナーで紹介したカンボジアのREDD+プロジェクトは、森林を保全するだけではなく、地域住民が森林を過度に利用することなく、暮らせる社会をつくることに取り組んでいます。

インドネシアのソングバード保全も、鳥の捕獲を規制するだけではなく、地域住民が主体となって森林を管理し、アグロフォレストリーやエコツーリズムなどの代替生計手段をつくることで課題解決を目指しています。さらに、鳥の鳴き声を楽しむ文化そのものを否定するのではなく、野生捕獲に依存しない持続可能な鳴き声コンテスト運営への転換を促しています。

これらの事例から、先進国の企業や専門家の役割は、自分たちの価値観や解決策を現地に持ち込むのではなく、地域住民自身が企画・運営に関わり、自然を守りながら発展していく環境を整えることだと考えます。企業には資金や市場との接点、専門家には知見や技術があります。それらを地域の知識や文化と組み合わせることに意味があります。

もう一つ欠かせないのが、キャパシティビルディングです。資金や技術を提供するだけでなく、地域住民が必要な知識や技術を身につけ、自ら事業を運営し、課題を解決できる力を高めていくことが重要です。外部からの支援が終了した後も、地域が自ら自然資本を管理し、その価値を地域の発展につなげていくことが、取り組みの持続可能性につながります。

国際協力を成功させる鍵は、「Ownership(地域の主体性)」「Benefit(地域への利益還元)」「Partnership(対等な協働)」 の3点にあると考えています。地域住民を単なる「支援の対象」ではなく、自然資本を守り、活かしていくパートナーとして位置づけることが求められます。

地域とともにネイチャーポジティブ経営を実践するには、「自然を守ることが地域の豊かさにつながり、その豊かさがさらに自然を守る」という好循環をつくることが大切です。その仕組みをともにつくり、最終的には地域自身がその好循環を持続させていけるようにすることこそ、先進国の企業や専門家が果たすべき役割ではないでしょうか。

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